赤地に、青い円の中に3つの白い星、右端に白で縁取られた青い帯。テネシーの旗です。アメリカ南部の州の旗で、3つの星は東・中・西という3つの地域を表し、円がそれを1つに束ねています。「3つでありながら、分かちがたい1つ」を表した1枚。今回はそんなテネシーの旗の話です。
まずは構成のおさらい
テネシー旗の構成は、次のとおりです。
- 背景:赤
- 中央:青い円と3つの白い星
- 右端(フライ側):白で縁取られた青い帯
色とシンボルの意味は、以下のとおりです。
- 3つの星:テネシーの3つの地域(東・中・西)
- 青い円:3つの地域の団結
- 青い帯:実用上の理由(後述)
赤地に、青い円と3つの星。シンプルで完成度の高い1枚です。
「3つの星」 ── 東・中・西の3地域
テネシー旗の主役、3つの星を見ていきます。
3つのグランド・ディビジョン
3つの白い星は、テネシーの3地域を表します。テネシーは、地理的にも法的にも「3つのグランド・ディビジョン(大区分)」に分かれており、それが東テネシー(山岳)・中テネシー・西テネシーです。
円が3つを束ねる
星を囲む青い円は、3つの地域の団結を表します。デザイナーいわく「終わりのない円で結ばれた、3つでありながら1つの、分かちがたい三位一体」。3つの地域が円のなかで1つに束ねられ、どの星も他より上ではありません。そんな平等と団結のデザインです。テネシーは今も、東・中・西の個性がはっきり違う州です。
「青い帯は、見た目のため」
テネシー旗の、正直なデザインの話です。
赤すぎないように
右端の青い帯には、実は実用的な理由があります。デザイナーのリロイ・リーブスは、この青い帯について「赤一色の単調さをやわらげ、旗が垂れ下がったときに赤ばかりに見えないようにするためだ」と述べました。旗が風なくだらりと垂れたとき、赤一色に見えないようにする工夫です。意味だけでなく、見た目の実用性まで考えられた旗だといえます。
1905年 ── 弁護士がデザイン
テネシー旗が生まれた経緯を見ていきます。現在の旗は、ジョンソンシティの弁護士で州兵だったリロイ・リーブス(デザイン当時は大尉、のちに大佐)がデザインし、1905年4月17日に正式採択されました。州兵の弁護士が考えた旗が、120年近く愛され続けています。
テネシーという地域
テネシーの基本情報です。
- 正式名:テネシー州(State of Tennessee)
- 州都:ナッシュビル(Nashville)
- 面積:約10.9万km²
- 人口:約710万人
- 公用語:英語
- 法的地位:アメリカ合衆国の州(16番目、1796年)
「音楽の州」
テネシーは、音楽の州として世界的に知られます。ナッシュビルはカントリー音楽の都(グランド・オール・オープリー)、メンフィスはエルヴィス・プレスリー(グレイスランド)とブルース、そしてBBQの街です。
「ボランティアの州」
テネシーの愛称は「ボランティア・ステート」。東部には、グレート・スモーキー山脈が広がります。
まとめ:3つの星と団結の円、テネシー
今回のテネシー旗のまとめです。
- 赤地+中央に青い円と3つの白い星+右端に白で縁取られた青い帯
- 3つの星=テネシーの3つのグランド・ディビジョン(東・中・西)、地理的にも法的にも区分される
- 青い円=3地域の団結、「終わりのない円で結ばれた分かちがたい三位一体」、どの星も他より上ではない
- 青い帯は、赤一色の単調さをやわらげ、旗が垂れたとき赤ばかりに見えないための実用的な工夫
- 現在の旗はジョンソンシティの弁護士で州兵のリロイ・リーブス(当時は大尉、のちに大佐)がデザイン、1905年4月17日採択
- ナッシュビルはカントリー音楽の都、メンフィスはエルヴィスとブルース、東はグレート・スモーキー山脈
- 愛称「ボランティア・ステート」、アメリカ16番目の州(1796年)
- 面積約10.9万km²、人口約710万人、州都ナッシュビル
3つの星は、東・中・西。テネシーの旗は、3つの地域を円で1つに束ねた、平等と団結を込めた1枚です。