「市」の字を、3つ組み合わせたマーク。堺市の旗です。大阪府南部の政令指定都市の旗で、堺の名は、昔の3つの国——摂津・和泉・河内の「境(さかい)」に発展した町、という意味。だから市章も、その3つの国を表して「市」を3つ組み合わせています。今回はそんな堺市の旗の話です。
まずは構成のおさらい
堺市旗の構成は、次のとおりです。
- 市章:3つの「市」の字を組み合わせ
シンボルの意味は、次のとおりです。
- 3つの「市」:摂津・和泉・河内の三国の境
「市」を3つ組み合わせたマーク。堺市を象徴する1枚です。
「『市』を3つ組み合わせ、三国の境」
堺市旗の、由来を見ていきます。「堺」の名は、昔の摂津国・和泉国・河内国の3つの国の「境(さかい)」に発展した町、という意味から来ています。この由来にちなみ、市章は「市」の字を3つ組み合わせて作られました。1895年(明治28年)の制定です。地名の由来(三国の境)を、3つの「市」でそのまま表す。わかりやすいデザインです。福島市(9フ4マ=フクシマ)や名古屋市(八=尾張八郡説)に並ぶ、数の発想を生かしたマークです。今も三国ヶ丘という地名に、3つの国の境だった名残があります。
東洋のベニス、自由都市・堺
そして、港町としての顔もあります。中世の堺は、日明貿易や鉄砲・南蛮貿易で栄えた、日本有数の貿易港でした。商人が自ら治める自由都市(会合衆)で、宣教師から「東洋のベニス」とも呼ばれた、自由な商人の街です。ちなみに「日本三津(にほんさんしん)」という言葉があります。中国の書物が日本の代表的な港としてあげた、坊津(薩摩)・安濃津(津)・博多津(博多)の3つです。堺はそこには入りませんが、それとは別に、博多と並ぶ中世最大級の貿易都市として知られました。千利休を生み、鉄砲鍛冶や堺打刃物で栄えた街です。
堺市という都市
堺市の基本情報です。
- 正式名:堺市
- 所在:大阪府(南部)
- 人口:約80万人(政令指定都市)
- 法的地位:政令指定都市(2006年〜)
「世界最大級の墓と刃物」
堺市は、世界最大級の墳墓・仁徳天皇陵(大仙古墳)を含む百舌鳥古墳群(世界遺産2019)で知られます。茶の湯の千利休・歌人与謝野晶子のふるさとで、堺打刃物の街でもあります。
まとめ:3つの「市」、堺市
今回の堺市旗のまとめです。
- 市章は3つの「市」の字を組み合わせたもの、1895年(明治28年)制定
- 「堺」は摂津・和泉・河内の3つの国の「境(さかい)」に発展した町の意味
- その由来を、3つの「市」で表現(福島・名古屋に並ぶ数の発想の市章)
- 三国ヶ丘の地名に、3つの国の境だった名残
- 中世は日明貿易・鉄砲で栄えた自由都市(会合衆)、「東洋のベニス」と呼ばれた(日本三津=坊津・安濃津・博多津には入らないが、博多と並ぶ大貿易都市)
- 世界最大級の仁徳天皇陵(大仙古墳)・百舌鳥古墳群(世界遺産2019)
- 千利休・与謝野晶子のふるさと、堺打刃物の街
- 人口約80万人、政令指定都市、大阪府南部
「市」を3つ組み合わせ、三国の境。堺市の旗は、三国の境に栄えた町という名の由来を、3つの「市」に込めた1枚です。