黒い太い横帯、そして右下にひらがなの市名。太田市の旗です。群馬県東部、SUBARU(スバル)の企業城下町の旗で、かつてこの地を治めた新田氏の旗印「大中黒(おおなかぐろ)」をベースに、右下に「おおた」を配したもの。伝統と革新の精神を表しています。今回はそんな太田市の旗の話です。
まずは構成のおさらい
太田市旗の構成は、次のとおりです。
- 市章:新田氏の旗印「大中黒」+右下にひらがなの市名
シンボルの意味は、次のとおりです。
- 大中黒:新田氏の旗印(伝統と革新)
- ひらがなの市名:おおた(太田)
大中黒と「おおた」のマーク。太田市を象徴する1枚です。
「新田氏の旗印『大中黒』、SUBARUの街」
太田市旗の、由来を見ていきます。市章は、かつてこの地域を治めていた新田氏の旗印「大中黒」をベースにしたものです。大中黒とは、黒い太い横帯を一本引いた、いわゆる「一つ引両(ひとつひきりょう)」。横線(引両)をもとにした武家のマークとしては、先に書いた仙台市(伊達の三ツ引両=3本)・広島市(芸州藩の三つ引)・横須賀市(三浦の三つ引)とも仲間で、太田の大中黒は「一本」の引両です。2005年(平成17年)の合併で生まれた新しい太田市も、この大中黒を受け継いでいます。
新田 vs 足利
そして、新田氏といえば、新田義貞。1333年に鎌倉を攻め落とし、鎌倉幕府を滅ぼした武将です。この太田の一帯は、新田氏のふるさと「新田荘(にったのしょう)」でした。じつは先に書いた足利市の足利氏と、この太田の新田氏は、どちらも源氏から分かれた一族で、南北朝の時代にはライバルとして争いました。栃木の足利、群馬の太田。隣り合う2つの街が、足利氏と新田氏という、源氏のライバルどうしの本拠地なのです。群馬県の県章や前橋市(松平の馬印◎)、高崎市(高の古代文字)とは別のマークです。
太田市という都市
太田市の基本情報です。
- 正式名:太田市
- 所在:群馬県(東部、東毛の中心)
- 人口:約22万人
- 法的地位:施行時特例市
「スバルと新田義貞」
太田市は、中島飛行機から続くSUBARU(スバル)の企業城下町で、北関東屈指の工業都市です。新田義貞ゆかりの新田荘、子育て呑龍(どんりゅう)の大光院も太田の見どころです。
まとめ:大中黒、太田市
今回の太田市旗のまとめです。
- 市章は新田氏の旗印「大中黒」+右下にひらがなの市名、2005年(平成17年)の合併でも継承
- 大中黒は黒い太い横帯一本の「一つ引両」、横線の武家マークは仙台(三ツ引両)・広島(三つ引)・横須賀(三浦三つ引)とも仲間
- 新田氏は、1333年に鎌倉幕府を滅ぼした新田義貞の一族、太田一帯は新田荘
- 栃木の足利市(足利氏)と群馬の太田市(新田氏)は、源氏のライバルどうしの本拠地
- 群馬県の県章・前橋市・高崎市とは別
- SUBARU(中島飛行機)の企業城下町・工業都市、新田荘、大光院
- 人口約22万人、群馬県東部・東毛の中心
新田氏の旗印「大中黒」、SUBARUの街。太田市の旗は、新田氏の伝統を、黒い帯に受け継いだ1枚です。