先が二股に割れた、燕の尾のような形。これがオハイオの旗、オハイオ・バージーです。アメリカ中西部の州の旗で、50州のなかで唯一「四角くない」州旗。国旗で唯一四角くないネパールの、州旗版とも言える1枚。今回はそんなオハイオの旗の話です。


まずは構成のおさらい

オハイオ旗の構成は、次のとおりです。

  • :燕尾(スワローテイル)の三角旗で、先が二股に割れている
  • :赤・白・青
  • 旗竿側:青い三角と、白い円(中に赤)と星

色とシンボルの意味は、以下のとおりです。

  • 三角形(旗の主線が作る):オハイオの丘と谷
  • :オハイオの道路と水路
  • 赤い中心の白い円:白い輪はノースウェスト準州とオハイオの「O」、中の赤は州の木バックアイ(トチノキ)の実
  • 17個の星:17番目に加盟した州であること

四角くない、燕尾形の旗。アメリカで唯一無二の1枚です。


「唯一、四角くない州旗」

オハイオ旗の、最大の特徴を見ていきます。

バージー(燕尾旗)

オハイオの旗は、バージーと呼ばれる形をしています。アメリカ50州で唯一、長方形ではない州旗です。バージーとは、1800年代のイギリスのヨットクラブ以来、船を識別するのに使われてきた三角の旗のこと。なかでも燕尾バージーは、細い側にV字の切れ込みがあり、先が2つに分かれます。

ネパールとの対比

ここで、はたログ的な連想が浮かびます。世界の国旗で唯一四角くないのはネパールで、アメリカの州旗で唯一四角くないのが、このオハイオです。

「四角くない旗」の代表が、国ではネパール、州ではオハイオ。面白い対比です。


「OとバックアイのO」

オハイオ旗の、シンボルの意味を見ていきます。

赤い中心の白い円

旗竿側の白い円(中に赤い点)には、いくつかの意味が重なっています。白い輪は、かつてオハイオが属した「ノースウェスト準州」を表すとされます。同時に、オハイオの頭文字「O」にも見えます。そして中の赤い点は、州の木バックアイ(トチノキ)の実です。だからオハイオは「バックアイ・ステート」と呼ばれます。

三角と縞と星

三角形はオハイオの丘と谷を、縞は道路と水路を表します。17個の星は、オハイオが17番目に連邦に加盟した州であることを示しています。このうち13個は元の13植民地、残る4個はバーモント・ケンタッキー・テネシー・オハイオを表します。

Oの字とバックアイの実、そして17番目の州の誇りが、コンパクトに込められています。


1901年 ── 万博のためのデザイン

オハイオ旗の、制定の経緯を見ていきます。

ジョン・アイゼンマンがデザイン

この旗は1901年、ジョン・アイゼンマンがパンアメリカン博覧会のためにデザインしました。当時オハイオには州旗がなかったため、彼が考案し、翌1902年に正式採択されました。デザインには、オハイオやアメリカ軍の旗から着想を得た可能性があります。

万博に出すために作られた旗が、そのまま州旗になった。そんな経緯です。形が独特なのは、軍旗やバージーの伝統を取り入れたためです。


オハイオという地域

オハイオの基本情報です。

  • 正式名:オハイオ州(State of Ohio)
  • 州都:コロンバス(Columbus)
  • 面積:約11.6万km²
  • 人口:約1,180万人
  • 公用語:英語
  • 法的地位:アメリカ合衆国の州(17番目、1803年)

「飛行と宇宙のオハイオ」

オハイオは、飛行と宇宙にまつわる誇りを持つ州です。デイトン出身のライト兄弟は、飛行機の発祥として知られています。また、月に降り立ったニール・アームストロングやジョン・グレンなど、宇宙飛行士の出身地でもあります。こうしたことから、オハイオは「航空の発祥地」を名乗っています。

「バックアイ・ステート」

州の木はバックアイ(トチノキ)で、愛称は「バックアイ・ステート」です。


まとめ:四角じゃない唯一の州旗、オハイオ

今回のオハイオ旗のまとめです。

  • 燕尾(スワローテイル)の三角旗「オハイオ・バージー」、アメリカで唯一の非長方形の州旗
  • バージーは1800年代のイギリスのヨットクラブ以来、船の識別に使われた三角旗
  • 世界の国旗で唯一非長方形なのはネパール、州旗ではオハイオ(面白い対比)
  • 赤い中心の白い円は、白い輪がノースウェスト準州とオハイオの「O」、中の赤がバックアイ(トチノキ)の実
  • 三角は丘と谷、縞は道路と水路
  • 17個の星は17番目の加盟州(13個は元の13植民地、残る4個はバーモント・ケンタッキー・テネシー・オハイオ)
  • 1901年、ジョン・アイゼンマンがパンアメリカン博覧会のためにデザイン、1902年採択
  • 軍旗やバージーの伝統に着想を得た独特の形
  • ライト兄弟(デイトン出身)の飛行機発祥、ニール・アームストロングら宇宙飛行士の出身地
  • 「バックアイ・ステート」、アメリカ17番目の州(1803年)
  • 面積約11.6万km²、人口約1,180万人、州都コロンバス

四角じゃない、ただ1つの州旗。オハイオの旗は、長方形ばかりのアメリカの州旗のなかで、ひとり燕の尾を広げるユニークな1枚です。