波の模様で、梅の花をかたどったマーク。小田原市の旗です。神奈川県西部、北条五代の小田原城で知られる街の旗で、古くからの梅の名所であり、漁業の盛んな美しい海を持つ小田原らしく、波がらで梅の花を形づくったもの。北条氏の城下町ですが、市章は意外にも三つ鱗ではありません。今回はそんな小田原市の旗の話です。


まずは構成のおさらい

小田原市旗の構成は、次のとおりです。

  • 市章:波がらで梅の花をかたどる

シンボルの意味は、次のとおりです。

  • 梅の花:梅の名所・小田原
  • 波がら:漁業の盛んな美しい海

波で梅の花のマーク。小田原市を象徴する1枚です。


「波で梅の花、北条の城下町」

小田原市旗の、由来を見ていきます。市章は、波の模様(波がら)で梅の花をかたどったものです。小田原は古くから梅の名所であり、漁業も盛んな美しい海を持つ街。その地方色を出すために、波と梅を組み合わせたのです。梅のマークは、金沢市(前田家の梅鉢)や福岡県の県章(ふく=梅)とも仲間。波は、兵庫県の県章(「兵」を二つの海の波に)とも通じます。じつはこの市章、1941年(昭和16年)に公募で選ばれた、小田原商業学校(今の県立小田原総合ビジネス高校)絵画部のデザイン。高校生が作ったマークなのです。旗を学生がデザインした例としては、アメリカの50星の星条旗(高校生ボブ・ヘフトの作)も有名でしたね。

市章は梅、でも有名なのは北条

そして、小田原といえば北条五代です。戦国時代、北条早雲にはじまる後北条氏が、小田原城を本拠に関東一円に覇を唱えました。その家紋が「三つ鱗(みつうろこ)」(小田原北条家のものは「北条鱗」と呼ばれ、二等辺三角形が特徴)。とても有名な家紋ですが、小田原市の市章は、この北条鱗ではなく梅と波。マークと街の有名なものが別、というのは、姫路市(市章は姫・有名なのは白鷺城)や明石市(明・子午線)にも通じます。神奈川県の県章(左右対称の「神」)や横浜市(ハマ菱)、横須賀市(ヨコ+方位磁針)とは別のマークです。


小田原市という都市

小田原市の基本情報です。

  • 正式名:小田原市
  • 所在:神奈川県(西部、足柄)
  • 人口:約18万人
  • 法的地位:市

「小田原城とかまぼこ」

小田原市は、北条五代の小田原城、曽我梅林の梅、小田原かまぼこで知られます。箱根の玄関口、報徳仕法の二宮尊徳(金次郎)のふるさと、干物やういろうも小田原の見どころです。


まとめ:波と梅、小田原市

今回の小田原市旗のまとめです。

  • 市章は波がらで梅の花をかたどったもの、1941年(昭和16年)公募で制定
  • 梅の名所・漁業の海という小田原の地方色を、梅と波で表す
  • 梅は金沢市(前田の梅鉢)・福岡県(梅)と、波は兵庫県(兵=二つの海)と通じる
  • 小田原商業学校(現・小田原総合ビジネス高校)絵画部の高校生デザイン(米国の星条旗も高校生作)
  • 小田原は北条五代の城下町だが、市章は北条鱗(三つ鱗)ではなく梅と波
  • マークと有名なものが別なのは姫路(白鷺城)・明石(子午線)にも通じる
  • 神奈川県の県章・横浜市・横須賀市とは別
  • 小田原城、曽我梅林、小田原かまぼこ、箱根の玄関口、二宮尊徳のふるさと
  • 人口約18万人、神奈川県西部

波で梅の花、北条の城下町。小田原市の旗は、梅の名所と海を、波と梅に込めた1枚です。