黒い帯に白い南十字星、赤褐色(オーカー)の地に白い砂漠のバラ。ノーザンテリトリー(北部準州)の旗です。オーストラリア中央から北部、ウルル(エアーズロック)の地の旗で、多くのオーストラリアの州旗がイギリス風の青地なのに対し、これは赤土の色を使った独自のデザインになっています。今回はそんなノーザンテリトリーの旗の話です。
まずは構成のおさらい
ノーザンテリトリー旗の構成は、次のとおりです。
- 左(旗竿側):黒い帯と、白い南十字星(5つの星)
- 右:赤褐色(オーカー)の地と、白いスタートの砂漠のバラ
色とシンボルの意味は、以下のとおりです。
- 黒・白・赤褐色:準州の3つの公式色
- 南十字星:南半球とオーストラリアを表します
- 砂漠のバラ:準州の花です
黒に南十字星、赤土に砂漠のバラという、オーストラリアの中でも独自性の高い1枚です。
「イギリス風じゃない、オーストラリアの旗」
ノーザンテリトリー旗の、際立った特徴を見ていきます。
多くの州旗は青地
オーストラリアの州旗の多くは、ユニオン・ジャック入りの青地(ブルー・エンサイン)に紋章を組み合わせた、イギリス風のデザインです。
でもこれは赤土の色
そして、ノーザンテリトリーは違います。黒・白・赤褐色(オーカー)という、オーストラリアの大地そのものの色を使い、ユニオン・ジャックを使わない独自のデザインになっています。
赤い大地(レッドセンター)の色を旗にした、らしさあふれる1枚というのが、ノーザンテリトリーの個性です。ウルルの赤い岩や砂漠を思わせる色です。
「砂漠のバラ」 ── バラじゃないバラ
ノーザンテリトリー旗の、主役の花を見ていきます。
スタートの砂漠のバラ
赤褐色の地に描かれた白い花は、スタートの砂漠のバラ(Sturt's Desert Rose)です。7枚の花びらと、中央に7つの先を持つ星があしらわれています。この7は、オーストラリアの6つの州とノーザンテリトリーを表しています。
実はバラじゃない
そして、面白い事実があります。名前は「バラ」ですが、実はバラ科ではなくワタ(綿)の仲間です。探検家チャールズ・スタートが、1844〜45年の中央オーストラリア探検で初めて採集しました。
バラという名なのに、実はワタの仲間という、アゾレス諸島(タカの島なのにノスリ)にも通じる「名前と中身のズレ」です。7という数は、オーストラリア国旗の連邦の星(7つの先)とも響き合います。
1978年 ── 自治の旗
ノーザンテリトリー旗の制定の歴史です。1978年7月1日、ダーウィンで自治政府の発足を記念して初めて掲げられました。デザインはオーストラリアの画家ロバート・イングペンによるものです。
自治の始まりとともに生まれた、独自の旗という誕生でした。
ノーザンテリトリーという地域
ノーザンテリトリーの基本情報です。
- 正式名:ノーザンテリトリー(北部準州)(Northern Territory)
- 州都:ダーウィン(Darwin)
- 面積:約135万km²
- 人口:約25万人
- 公用語:英語(多くの先住民言語も使われます)
- 法的地位:オーストラリアの準州
「赤い中心地」
ノーザンテリトリーには、ウルル(エアーズロック)、カカドゥ国立公園、アリススプリングスといった名所があります。広大なアウトバック(内陸の荒野)が広がる土地です。
「先住民の地」
ノーザンテリトリーは、アボリジナルの人々が人口に大きな割合を占めます。赤土の色(オーカー)は、先住民文化とも結びついています。
まとめ:砂漠のバラと南十字星、ノーザンテリトリー
今回のノーザンテリトリー旗のまとめです。
- 左に黒い帯と白い南十字星、右に赤褐色(オーカー)の地と白いスタートの砂漠のバラ
- 黒・白・赤褐色は準州の3つの公式色、南十字星は南半球・オーストラリア、砂漠のバラは準州の花
- 多くのオーストラリアの州旗がユニオン・ジャック入りの青地なのに対し、独自のデザイン
- 赤土(レッドセンター)の色を使い、ウルルの赤い大地を思わせる
- 砂漠のバラは7枚の花びらと7つの先の星で、6州とノーザンテリトリーを表す
- 名は「バラ」だが実はワタ(綿)の仲間、探検家チャールズ・スタートが1844〜45年に採集
- 7という数はオーストラリア国旗の連邦の星とも響き合う
- 1978年7月1日、ダーウィンで自治政府発足を記念して初掲揚、画家ロバート・イングペンがデザイン
- ウルル・カカドゥ・アリススプリングス、広大なアウトバック、アボリジナルの地
- 面積約135万km²、人口約25万人、州都ダーウィン
砂漠のバラと南十字星、そして赤土の色。ノーザンテリトリーの旗は、オーストラリアの大地と先住民の文化を、独自の色とデザインに込めた1枚です。