紺地に、ハドソン川と船の盾、それを挟む自由の女神と正義の女神、下に「EXCELSIOR(より高く)」の文字。ニューヨーク州の旗です。アメリカ北東部、エンパイア・ステートの旗で、自由の女神は足元に王冠を踏みつけています。イギリス王室からの独立を表す1枚。今回はそんなニューヨーク州の旗の話です(ニューヨーク市だけでなく、州全体の旗です)。
まずは構成のおさらい
ニューヨーク州旗の構成は、次のとおりです。
- 背景:紺(濃い青)
- 中央:ニューヨーク州の紋章(盾+2人の女神+モットー)
紋章のシンボルは、以下のとおりです。
- 盾:ハドソン川と船、昇る太陽
- 左の女神:自由(リバティ)
- 右の女神:正義(ジャスティス)
- モットー:「EXCELSIOR(より高く)」
ハドソン川の盾と、自由・正義の女神。堂々とした紋章旗です。
「王冠を踏みつける自由の女神」
ニューヨーク州旗の、最も印象的なシンボルを見ていきます。
自由の女神
盾の左に立つ自由の女神は、棒の先にフリジア帽(自由の帽子)を掲げています。フリジア帽は、古代ローマで解放された奴隷に与えられた帽子で、自由の象徴です。
足元の王冠
そして、足元に注目です。自由の女神は、左足で王冠を踏みつけています。これは、植民地ニューヨークを支配したイギリス王室からの独立を表します。自由の女神が、捨てられた王冠を踏んで立つ。独立への強い意志を込めたデザインです。なお、フリジア帽は、アルゼンチンやエルサルバドルなど、革命と自由の旗にも登場する象徴です。
正義の女神
盾の右の正義の女神は、目隠し(公平さ)をして、天秤(公正)と剣を持っています。
「EXCELSIOR」 ── より高く
ニューヨーク州旗のモットーを見ていきます。盾の下のリボンには「Excelsior」。ラテン語で「より高く」「ますます上へ(Ever Upward)」を意味し、ニューヨークの向上の精神を表します。2020年には、「E Pluribus Unum(多数から1つへ)」が第2のモットーとして加えられました。「より高く」は、ニューヨークの誇りと野心を表す一言として、州のあちこちで使われています。
「昇る太陽とハドソン川」
ニューヨーク州旗の、盾の中身を見ていきます。盾には、ハドソン川を行き交う帆船とスループ船が描かれ、内陸と海外の交易を象徴します。背景には山並みと、その後ろから昇る笑顔の太陽があります。
ニューヨークという地域
ニューヨークの基本情報です。
- 正式名:ニューヨーク州(State of New York)
- 州都:オールバニ(Albany)、最大都市はニューヨーク市
- 面積:約14万km²
- 人口:約1,980万人
- 公用語:英語
- 法的地位:アメリカ合衆国の州(11番目、元の13植民地の1つ)
「エンパイア・ステート」
ニューヨークの愛称は「エンパイア・ステート(帝国州)」。エンパイア・ステート・ビルも、この愛称から名づけられました。
「自由の女神とナイアガラ」
ニューヨーク市の自由の女神像(旗の女神とは別です)や、ナイアガラの滝でも有名です。
まとめ:王冠を踏む自由の女神、ニューヨーク
今回のニューヨーク州旗のまとめです。
- 紺地+中央にニューヨーク州の紋章(盾+2人の女神+モットー)
- 盾=ハドソン川と船・昇る太陽、左=自由の女神、右=正義の女神、モットー「EXCELSIOR」
- 自由の女神は棒の先にフリジア帽(解放奴隷の帽子=自由)を掲げる
- 自由の女神は左足で王冠を踏みつけ、イギリス王室からの独立を表す
- フリジア帽はアルゼンチンやエルサルバドルなど革命・自由の旗にも登場
- 正義の女神は目隠し(公平)+天秤(公正)+剣
- モットー「Excelsior(より高く、Ever Upward)」、2020年に「E Pluribus Unum」を第2モットーに追加
- 盾にはハドソン川を行き交う帆船とスループ船(交易)、背景に山並みと昇る太陽
- 紋章は1778年採択、州旗は1901年(地色をバフから青に変更)
- 愛称「エンパイア・ステート」、自由の女神像(旗の女神とは別)、ナイアガラの滝
- 元の13植民地の1つ、面積約14万km²、人口約1,980万人、州都オールバニ
自由の女神が、王冠を踏みつける。ニューヨーク州の旗は、イギリスからの独立と「より高く」の精神を、2人の女神に込めた1枚です。