割菱(われびし)の中に、亀の甲羅のかたち。甲府市の旗です。山梨県の県庁所在地、武田信玄の城下町の旗で、外側の割菱は武田氏の家紋「武田菱」、中の亀甲には「甲」と「府」の両方が隠れている——という、手の込んだマーク。今回はそんな甲府市の旗の話です。
まずは構成のおさらい
甲府市旗の構成は、次のとおりです。
- 市章:武田菱(割菱)+中の亀甲(亀の甲羅)
シンボルの意味は、次のとおりです。
- 割菱:武田氏の家紋
- 亀甲:「甲」の象形+長寿
- 亀甲を連接:「本」→「府」(府は本なり)
- 割菱の紫:ぶどうの色、白地=平和
武田菱の中に亀甲のマーク。甲府市を象徴する1枚です。
「武田菱の中に『甲』と『府』が隠れてる」
甲府市旗の、由来を見ていきます。
外は武田菱
まず外側です。割菱の形は、甲府を拠点とした武田氏の家紋からとったものです。甲府といえば武田信玄。だから外枠は武田菱です。
中の亀甲に「甲」と「府」
そして、中の亀甲がダブルの言葉遊びになっています。中の亀甲は「甲」の字の象形文字であり、市の長寿を意味します。さらに、亀甲の頭・尾・四肢を内側に伸ばして連接すると「本」の字になり、「府は本なり」ということから、甲府の「府」を意味するのです。亀甲は「甲」、つなげると「本」=「府」。だから亀甲ひとつで「甲府」。見事な仕掛けです。福島市(9フ4マ=フクシマ)に並ぶ、文字遊びの市章で、1906年(明治39年)の制定です。
武田菱と亀甲、2つのつながり
そして、横のつながりもあります。武田菱は、山梨県の県章(3つの人=山+武田菱+富士山)にも入っています。県も市も武田菱です。武田氏は甲斐源氏。同じ甲斐源氏の南部氏の家紋(南部菱)を使う盛岡市とも、菱でつながります。また、亀甲=長寿は、宇都宮市(亀が丘城の亀甲)とも共通です。武田菱の家族(山梨県・盛岡市)と、亀甲=長寿の仲間(宇都宮市)。つながりの多いマークです。割菱の紫はぶどうの色、白地は平和を表します。
甲府市という都市
甲府市の基本情報です。
- 正式名:甲府市
- 所在:山梨県(県庁所在地)
- 人口:約18万人
- 法的地位:中核市
「信玄とぶどうと水晶」
甲府市は、武田信玄の城下町で、武田神社(躑躅ヶ崎館跡)、甲府城(舞鶴城)で知られます。ぶどう・ワインの甲府盆地、昇仙峡、水晶研磨から続く宝石・ジュエリーの街でもあります。
まとめ:武田菱と亀甲、甲府市
今回の甲府市旗のまとめです。
- 市章は武田菱(割菱)+中の亀甲(亀の甲羅)、1906年(明治39年)制定
- 割菱=甲府を拠点とした武田氏の家紋(武田菱)
- 亀甲=「甲」の象形+長寿、連接すると「本」=「府」(府は本なり)で、亀甲ひとつで「甲府」
- 福島市(9フ4マ)に並ぶ、文字遊びの市章
- 武田菱は山梨県の県章にも、同じ甲斐源氏の南部菱(盛岡市)とも菱でつながる
- 亀甲=長寿は宇都宮市(亀が丘城)とも共通
- 割菱の紫=ぶどうの色、白地=平和
- 武田信玄の城下町、武田神社、甲府城、ぶどう・ワイン、昇仙峡、宝石・ジュエリーの街
- 人口約18万人、中核市、山梨県の県庁所在地
武田菱の中に「甲」と「府」が隠れてる。甲府市の旗は、武田の家紋と、亀甲に隠した地名の言葉遊びを、ひとつにした1枚です。