白地に赤い丸。それだけ。シンプルすぎて逆に気になる、それが日の丸です。「なんでこのデザインなの?」「ていうかあの丸、本当に真ん中にあるの?」そんな素朴な疑問を掘り下げたら、予想以上におもしろい話がぼろぼろ出てきました。


その丸、昔は真ん中じゃなかった説

いきなりちょっとびっくりする話から。

日の丸の赤い円、「旗のど真ん中にある」と思っていませんか?じつは歴史的には、横の長さの100分の1ほど旗竿側にズレた規定もあったんです。

正確には、1870年(明治3年)の太政官布告第57号(商船規則)で、日章が「横の長さの100分の1」だけ旗竿側に寄ると定められていました。理由としては「掲揚してなびいたとき、目で見て中央に見えるように」という説があります。風に揺れた状態を想定した、なかなか細かいこだわりですよね。

ただし、同じ1870年でも太政官布告第650号(陸軍御国旗)などでは、日章は当初から中央配置でした。つまり「明治以来、日の丸はずっとズレていた」というわけではなく、商船・海軍系の規定はズレ、陸軍系の規定は中央という二重構造だったわけです。

そして1999年に施行された国旗国歌法によって、「旗の中央に配置する」と正式に統一されました。今の日の丸は、法的にも、きっちり真ん中です。


え、「正式な国旗」になったのって1999年なの?

そうなんです。意外と最近の話なんです。

国旗国歌法が制定されるまで、日の丸を「国旗」と直接定めた成文法はありませんでした。ただし、「なんとなく定着した」というよりは、1870年の太政官布告第57号で「日本船の総船印」として法的に規定され、これが国内外で日本国を代表する事実上の国旗(慣習法上の国旗)として公式に扱われてきた、という経緯があります。

1999年の国旗国歌法は「初めて根拠を与えた」というより、長年の慣習法・行政解釈を改めて成文化したことに近い性質を持っています。あの国民的な旗が「成文法上の国旗」になったのが、たった20数年前というのは、いずれにせよ意外ですよね。


なんでこんなにシンプルなデザインなの

世界の国旗って、けっこうごちゃっとしているものが多いんです。紋章があったり、複数の色が使われていたり。そんな中で日の丸は「白と赤と丸だけ」という潔さ。

この背景にあるのが、日本古来の太陽信仰です。天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る文化を持つ日本にとって、太陽はまさに国の象徴。「日いずる国」を旗で表すなら、太陽を描くのは自然な流れだったわけです。

シンプルに見えて、じつはすごく深い。そういう旗です。


外国人ウケが異常にいい理由

「外国人に好きな国旗を聞くと日の丸が上位に来る」という話、聞いたことありませんか?

理由は単純で「一目で覚えられる」「なにを表しているかすぐわかる」から。国旗マニアの間でも「引き算の美学」として評価されることが多いです。情報を足すのは簡単だけど、削ぎ落とすのはむずかしい。日の丸はその究極形とも言えます。

ごちゃごちゃしていないからこそ、記憶に残る。強いですよね。


「似てる旗」がいるけど、全然ちがう

日の丸っぽい「丸いデザイン」の国旗、世界にいくつかあります。パッと思い浮かぶのがバングラデシュとパラオです。

一見「あ、日の丸っぽい」となるんですが、色の意味も由来もまったく別物です。こういう「似てるけど全然ちがう」話が、国旗の沼の入り口だったりします。

バングラデシュの国旗は、緑と赤の丸に独立の物語が込められています。パラオの国旗は、満月なのか日の丸なのか紛らわしすぎる、太平洋の旗です。それぞれの旗については、別の記事で詳しく書いています。


まとめ:シンプルな旗ほど、沼が深い

今回の日の丸まとめ、ざっくりどうぞ。

  • 1870年の太政官布告第57号(商船規則)では日章が横の長さの100分の1旗竿側にズレ、同年の第650号(陸軍御国旗)など別の規定では当初から中央配置
  • 1999年の国旗国歌法で「中央に置く」と正式に統一
  • 1870年以来「事実上の国旗(慣習法上の国旗)」、1999年に成文法として国旗化(意外と最近)
  • 太陽信仰が根っこにある、シンプルだけど深いデザイン
  • 外国人からの評価が高い理由は「引き算の美学」
  • バングラデシュやパラオと似てるけど、由来はまったく別

「知ってるようで知らなかった」がいくつかあったら嬉しいです。国旗って、掘れば掘るほどおもしろいんですよ。