赤と白の横2分割、紋章には赤と白の縞模様のライオン。ヘッセンの旗です。ドイツ中部、金融都市フランクフルトを擁する州の旗で、このライオンは「ブンター・レーヴェ(カラフルなライオン)」と呼ばれる、10本の赤白の縞のライオンです。アメリカ独立戦争の「ヘッセン傭兵」でも知られる地の1枚。今回はそんなヘッセンの旗の話です。
まずは構成のおさらい
ヘッセン旗の構成は、次のとおりです。
- 市民旗:赤(上)と白(下)の横2分割
- 州旗:中央にヘッセンの紋章(政府用)
紋章のシンボルは、以下のとおりです。
- ライオン:青い盾に、赤と白の10本の縞をまとったライオン(金の爪)。武の強さと領主の権威を表す
- 赤と白:赤は武勇、白は純粋と正統性
赤と白、そして縞模様のライオン。ドイツの州の旗です。
「縞模様のライオン」 ── ブンター・レーヴェ
ヘッセン旗の、特徴的なシンボルを見ていきます。
10本の赤白の縞
紋章のライオンは、青い盾に、赤と白の10本の縞をまとっています(金の爪)。ヘッセンの伝統で「ブンター・レーヴェ(カラフルなライオン)」と呼ばれます。
ルートヴィヒ家から
赤と白は、ルートヴィヒ家(ルドヴィング家)の紋章に由来します。1247年にこのルートヴィヒ家(テューリンゲン方伯)が断絶し、その後ヘッセンが独立した方伯領になったときに、この紋章を受け継ぎました。赤と白の縞をまとった、珍しい「カラフルなライオン」。一目でヘッセンとわかるシンボルで、フランドルやボヘミアなど、ヨーロッパの「ライオン旗」の仲間です。
「ヘッセン傭兵」 ── アメリカ独立戦争の地
ヘッセンと世界史のつながりを見ていきます。
イギリスに雇われた兵士
アメリカ独立戦争で、イギリスは多くのドイツ人傭兵を雇いました。その多くがヘッセン(ヘッセン=カッセル)出身だったため、「ヘッセン傭兵(ヘシアンズ)」と呼ばれ、アメリカでは「傭兵」の代名詞になりました。
首なし騎士の正体
そして、意外な小ネタもあります。小説『スリーピー・ホロウの伝説』に出てくる首なし騎士は、独立戦争で命を落としたヘッセン傭兵という設定です。赤白のライオンの地ヘッセンの兵士が、海を越えてアメリカ独立戦争に、そして怪談の主役にまでなった。思わぬ広がりです。
ヘッセンという地域
ヘッセンの基本情報です。
- 正式名:ヘッセン州(Hessen)
- 州都:ヴィースバーデン(Wiesbaden)、最大都市はフランクフルト
- 面積:約2.1万km²
- 人口:約630万人
- 公用語:ドイツ語
- 法的地位:ドイツの州
「ヨーロッパの金融の中心」
最大都市フランクフルトは、欧州中央銀行(ECB)やフランクフルト証券取引所、国際空港のある、ヨーロッパ金融の中心です。
「グリム兄弟の地」
グリム兄弟は、ヘッセンのハーナウ出身です。州内をメルヘン街道が通り、白雪姫やいばら姫の物語の舞台のイメージとも結びついています。
まとめ:赤白の縞のライオン、ヘッセン
今回のヘッセン旗のまとめです。
- 市民旗は赤(上)と白(下)の横2分割、州旗は中央にヘッセンの紋章(政府用)
- 紋章は青い盾に、赤と白の10本の縞をまとったライオン(金の爪)
- ヘッセンの伝統で「ブンター・レーヴェ(カラフルなライオン)」と呼ばれる
- 赤と白はルートヴィヒ家の紋章に由来、1247年の同家断絶後にヘッセンが独立した方伯領となり継承
- フランドルやボヘミアと並ぶヨーロッパの「ライオン旗」の仲間
- アメリカ独立戦争でイギリスが雇ったドイツ人傭兵の多くがヘッセン出身=「ヘッセン傭兵(ヘシアンズ)」
- 『スリーピー・ホロウの伝説』の首なし騎士は、戦死したヘッセン傭兵という設定
- 現在の旗は1948年8月4日のヘッセン州章法で定められた
- フランクフルトは欧州中央銀行・証券取引所・国際空港のあるヨーロッパ金融の中心
- グリム兄弟はヘッセンのハーナウ出身、メルヘン街道
- 面積約2.1万km²、人口約630万人、州都ヴィースバーデン
赤と白の縞のライオン。ヘッセンの旗は、中世の「カラフルなライオン」と、アメリカ独立戦争にまで及んだ歴史を背負った1枚です。