井戸の枠(井げた)の形に、「北」の字。福井市の旗です。福井県の県庁所在地、越前の城下町の旗で、この市章は、福井城の中にあった井戸「福の井」の井げたと、福井の古い名前「北ノ庄」の「北」を組み合わせたもの。新旧2つの名前が入った、いわれの深い1枚。今回はそんな福井市の旗の話です。
まずは構成のおさらい
福井市旗の構成は、次のとおりです。
- 市章:福の井の「井げた」(井戸の枠)+「北」の字
シンボルの意味は、次のとおりです。
- 井げた:福井城内の井戸「福の井」(福井の地名の由来ともいわれる)
- 「北」の字:古い名「北ノ庄」
- 全体:古きを生かし、新しい時代へ発展
井げたに「北」のマーク。福井市を象徴する1枚です。
「井戸の『井げた』と、古い名の『北』」
福井市旗の、由来を見ていきます。市章は、福井城内にあった「福の井」の井げたに、福井の旧称「北ノ庄」の「北」を組み合わせたものです。古きを生かし、新しい時代へ発展と繁栄を、と図案化されました。1925年(大正14年)の制定です。新しい名前(福井)と、古い名前(北ノ庄)が、ひとつのマークに同居している。面白いデザインです。福井県の県章(フ・ク・イを円に)とは別物です。
「北」は敗北で縁起が悪い?
そして、地名が変わった話もあります。福井はもともと「北ノ庄」でした。1624年、福井藩主・松平忠昌が、「北」の字が「敗北」に通じて縁起が悪いとして、「福があるように」と「福居」に改めたのです。その後「福井」になりました(一説には、城内の井戸「福の井」にちなんで「井」の字になったともいわれます。諸説あり)。「北」は敗北っぽいから縁起直し——という改名物語。市章は、その捨てたはずの「北」と、新しい「井」の両方を、ちゃんと残しているわけです。
福井市という都市
福井市の基本情報です。
- 正式名:福井市
- 所在:福井県(県庁所在地)
- 人口:約25万人
- 法的地位:中核市
「越前と恐竜」
福井市は、越前がに・越前和紙・越前漆器の越前で知られます。福井城(越前松平家)、一乗谷朝倉氏遺跡もあります。「恐竜王国」としても知られ、2024年には北陸新幹線が福井まで延伸しました。
まとめ:井げたと「北」、福井市
今回の福井市旗のまとめです。
- 市章は「福の井」の井げた(井戸の枠)+「北」の字
- 井げた=福井城内の井戸「福の井」(福井の地名の由来ともいわれる)、「北」=旧称「北ノ庄」
- 古きを生かし新しい時代へ発展、と図案化、1925年(大正14年)制定
- 福井はもと「北ノ庄」、1624年に松平忠昌が「北=敗北で縁起が悪い」と「福居」に改名
- その後「福井」に、一説に城内の井戸「福の井」にちなむ(諸説あり)
- 市章は捨てたはずの「北」と新しい「井」の両方を残している
- 福井県の県章(フ・ク・イを円に)とは別
- 越前がに・越前和紙・越前漆器、福井城(越前松平家)、一乗谷朝倉氏遺跡、恐竜王国、北陸新幹線2024延伸
- 人口約25万人、中核市、福井県の県庁所在地
井戸の「井げた」と、古い名の「北」。福井市の旗は、縁起直しで生まれた地名の物語を、井げたと「北」に残した1枚です。