赤地に黄色い斜め帯、その上を歩く黒い熊。ベルンの旗です。スイスの首都を擁するカントン(州)の旗で、街の名「ベルン」は、ドイツ語の「熊(ベア/Bär)」に由来するといわれます。だから旗も街も、まるごと熊。今も街なかで本物の熊を飼っている1枚。今回はそんなベルンの旗の話です。


まずは構成のおさらい

ベルン旗の構成は、次のとおりです。

  • 背景:赤
  • 斜め帯:黄色
  • 帯の上:旗竿側へ歩く黒い熊

色とシンボルの意味は、以下のとおりです。

  • :ベルンの名の由来であり、強さと守りの象徴
  • 赤と黄:ベルンの色

赤地に、黄色い帯の上を歩く黒い熊。一度見たら忘れない1枚です(スイスの州旗は正方形が伝統です)。


「ベルン=熊」 ── 名前の由来

ベルン旗の核心、街の名の由来を見ていきます。

最初に獲れた動物

街の名「ベルン」には、狩りの伝説があります。1191年、ツェーリンゲン家のベルヒトルト5世が新しい街を作るとき、「新しい街を切り開く森で、最初に狩りで仕留めた動物を街の名にする」と誓ったといいます。そして最初に仕留めたのが熊(ドイツ語でBär、ベア)だったので、街は「ベルン」になりました(諸説あり)。最初に獲れた動物が熊だったから街の名が「ベルン」になったというこの伝説ゆえに、旗の主役も熊なのです。ロレーヌ(Alerion=Loraine)やガリシア(聖杯)と同じ、名前と紋章の言葉遊び(キャンティング)の仲間です。

白地から赤地へ

旗には、変遷があります。13世紀には白地に黒い熊でしたが、1289年に、現在の赤地に黄色い斜め帯の配置になりました。1224年の市の印章には、すでに熊が描かれています。


「今も街に本物の熊」

ベルンの有名な伝統を見ていきます。

ベーレンパルク(熊公園)

ベルンでは今も、街なかで本物の熊を飼っています(ベーレンパルク)。街のシンボルである熊を、実際に大切にしているのです。旗の熊だけでなく、本物の熊が街に暮らす徹底ぶりで、観光名所にもなっています。


「スイスの首都」

ベルンの重要な役割を見ていきます。

連邦の中心

ベルンは、スイスの連邦都市(事実上の首都)です。スイス連邦議会や政府が置かれています。

アインシュタインの街

アインシュタインはベルンで暮らし、ここで相対性理論の着想を得ました。旧市街は世界遺産で、時計塔(ツィットグロッゲ)が有名です。


ベルンという地域

ベルンの基本情報です。

  • 正式名:ベルン州(Kanton Bern)
  • 州都:ベルン(Bern)
  • 面積:約6,000km²
  • 人口:約104万人
  • 公用語:ドイツ語・フランス語
  • 法的地位:スイスのカントン(州)

「ベルナーオーバーラント」

ベルン州には、ユングフラウなどアルプスの名峰があるベルナーオーバーラントが広がります。インターラーケンや、ベルン発祥のトブラローネチョコレートでも知られます。


まとめ:街の名は「熊」、ベルン

今回のベルン旗のまとめです。

  • 赤地+黄色い斜め帯+帯の上を旗竿側へ歩く黒い熊(スイスの州旗は正方形)
  • 熊=ベルンの名の由来、強さと守りの象徴
  • 街の名「ベルン」はドイツ語の「熊(Bär)」に由来
  • 1191年、ツェーリンゲン家のベルヒトルト5世が「森で最初に仕留めた動物を街の名に」と誓い、それが熊だった(諸説あり)
  • ロレーヌやガリシアと同じ、名前と紋章の言葉遊び(キャンティング)
  • 13世紀は白地に黒い熊、1289年に赤地に黄色い斜め帯へ、1224年の印章にすでに熊
  • 今も街なかで本物の熊を飼っている(ベーレンパルク=熊公園)
  • ベルンはスイスの連邦都市(事実上の首都)、連邦議会・政府が置かれる
  • アインシュタインがベルンで相対性理論の着想を得た、旧市街は世界遺産、時計塔
  • ユングフラウのあるベルナーオーバーラント、インターラーケン、トブラローネ発祥
  • 面積約6,000km²、人口約104万人、州都ベルン

街の名は「熊」、だから旗も熊。ベルンの旗は、名前の由来そのものを掲げる、本物の熊まで飼う熊づくしの1枚です。