「工」の字に、「ア」「マ」を組み合わせたマーク。尼崎市の旗です。兵庫県の南東端、大阪に隣接する工業都市の旗で、工都(こうと=工業の街)を表す「工」と、アマガサキの「ア」「マ」を図案化したもの。じつは尼崎藩の槍印(やりじるし)がもとになったといわれます。今回はそんな尼崎市の旗の話です。
まずは構成のおさらい
尼崎市旗の構成は、次のとおりです。
- 市章:「工」+「ア」「マ」(+両脇の丸印)
シンボルの意味は、次のとおりです。
- 「工」:工都(工業の街)
- ア・マ:アマガサキ
- 両脇の丸印:小田の「小」(小田村との合併)
- もと:尼崎藩の槍印
「工」に「アマ」のマーク。尼崎市を象徴する1枚です。
「『工』と『アマ』、工業の街の槍印」
尼崎市旗の、由来を見ていきます。市章は、工都を表す「工」と、「アマガサキ」の「ア」「マ」を図案化したものです。尼崎藩の槍印をもとに、工業都市を象徴する「工」と尼崎の「アマ」を組み合わせている、といわれます。1917年(大正6年)の制定です。最初は中央両脇の丸印がありませんでしたが、1936年(昭和11年)の小田村との合併の際、小田の「小」を表す丸印(点)を両脇に加えて、現在の形になりました。マークに「工」が入っている、工業の街らしい1枚です。市章に工業を表す「工」を入れるのは珍しく、歯車で工業を表した北九州市とも通じます。
槍印という、武家の標
そして、横のつながりもあります。もとになった尼崎藩の「槍印」は、戦場で掲げる武家の目印。家紋ではなく、武家の標(しるし)をもとにする点では、松平氏の馬印(輪貫)をもとにした前橋市(二重丸◎)と同じ発想です。家紋ではなく、槍印・馬印という戦場の目印から。ちょっと珍しいルーツです。兵庫県の県章(兵)・神戸市(カ)・西宮市(3つのヤ)とは別のマークです。
尼崎市という都市
尼崎市の基本情報です。
- 正式名:尼崎市
- 所在:兵庫県(阪神間、大阪に隣接)
- 人口:約46万人
- 法的地位:中核市
「工業都市と尼崎城」
尼崎市は、阪神工業地帯の中心的な工業都市で、2018年に再建された尼崎城で知られます。ボートレース尼崎、大阪に隣接する阪神間の街でもあります。
まとめ:「工」と「アマ」、尼崎市
今回の尼崎市旗のまとめです。
- 市章は工都を表す「工」+「ア」「マ」(アマガサキ)、1917年(大正6年)制定
- 尼崎藩の槍印をもとに、工業都市の「工」と尼崎の「アマ」を図案化(といわれる)
- 1936年の小田村との合併で、小田の「小」を表す丸印を両脇に加えて現在の形に
- 工業の「工」を入れるのは珍しく、歯車で工業を表した北九州市と通じる
- もとの尼崎藩の槍印は武家の標、家紋でなく武家の標をもとにするのは前橋市(松平の馬印◎)と同じ発想
- 兵庫県の県章(兵)・神戸市(カ)・西宮市(3ヤ)とは別
- 阪神工業地帯の工業都市、2018年再建の尼崎城、ボートレース尼崎
- 人口約46万人、中核市、大阪に隣接
「工」と「アマ」、工業の街の槍印。尼崎市の旗は、工業の街を、「工」と「アマ」に込めた1枚です。