濃い青地に、金色の北斗七星と北極星。アラスカの旗、アメリカ最北の州の旗です。この旗を作ったのは、孤児院で暮らす13歳(一説に14歳)のアラスカ先住民の少年ベニー・ベンソン。州になる32年も前に生まれた、希望の旗です。今回はそんなアラスカの旗の話です。

(アメリカの各州にはそれぞれ州旗があります。はたログでは、特に物語性の強い州旗を地域旗シリーズの一部として紹介していきます。)


まずは構成のおさらい

アラスカ旗の構成は、次のとおりです。

  • 背景:濃い青
  • 金色の8つの星:北斗七星(7つ)+北極星(1つ)

色とシンボルの意味は、以下のとおりです。

  • :アラスカの空と、忘れな草(州の花)
  • 北斗七星(大熊座):強さ
  • 北極星:最北の州アラスカの未来
  • 金色:ゴールドラッシュと豊かな資源

濃い青地に、金色の北斗七星と北極星という、シンプルで美しい1枚です。


「13歳の少年がデザインした」

アラスカ旗の感動的な物語を見ていきます。

孤児院の少年ベニー・ベンソン

デザイナーはベニー・ベンソン(John Ben "Benny" Benson Jr.)です。セワードのジェシー・リー・ホーム(孤児院)で暮らすアラスカ先住民の少年で、デザイン当時は13歳(後の研究では14歳とも)でした。

142点のなかから選ばれた

1927年、準州のデザインコンテストが開かれました。7〜12年生を対象としたこのコンテストには142点の応募があり、シンプルさが評価されてベニーの案が選ばれます。準州議会が満場一致で採択し、1927年7月9日にセワードで初掲揚されました。

孤児院の先住民の少年が作った旗が、州を代表する旗になりました。これは、ココス諸島(10代)やサバ(18歳)にも通じる、若者が作った旗の物語であり、アラスカでは最も心を打つ1つです。

ベニー自身の言葉

ベニーが応募用紙に書いた説明によれば、青はアラスカの空と、アラスカの花「忘れな草」を表します。北極星は、連邦で最も北にある州アラスカの未来を、北斗七星は大熊座であり強さの象徴を表しています。


「州になる前の旗」

アラスカ旗の意外な時系列を見ていきます。

1927年は、まだ「準州」

旗が作られた1927年、アラスカはまだ州ではなく「準州」でした。アラスカが正式にアメリカ49番目の州になったのは、1959年のことです。

州になる32年も前に、少年が「州の未来」を願って旗を作った、希望にあふれた物語です。北極星は、まさにその未来への道しるべでした。

「ロシアから買った土地」

アラスカには、有名な歴史があります。1867年、アメリカがロシアからアラスカを買いました(約720万ドル)。当時は「スワードの愚行」と揶揄されましたが、後に大正解だったと分かります。旗が初掲揚されたセワードの町の名も、購入を進めたウィリアム・スワードにちなみます。

ロシア領だった土地が、アメリカ最北の州になった、ロシアともつながる歴史です。


アラスカという地域

アラスカの基本情報です。

  • 正式名:アラスカ州(State of Alaska)
  • 州都:ジュノー(Juneau)
  • 面積:約172万km²(アメリカ最大の州)
  • 人口:約73万人
  • 公用語:英語(先住民言語も)
  • 法的地位:アメリカ合衆国の州(49番目)

「アメリカ最大・最北の州」

アラスカは、スケールが桁違いです。面積はアメリカ最大で、テキサスの2倍以上あります。最も北にある州で、北極圏にかかっています。

「忘れな草とオーロラ」

アラスカの自然も豊かです。州の花は忘れな草で、旗の青の由来となっています。オーロラや氷河、北米最高峰のデナリでも知られます。


まとめ:北斗七星と北極星、少年の旗

今回のアラスカ旗のまとめです。

  • 濃い青地に金色の8つの星(北斗七星7つ+北極星1つ)
  • 青はアラスカの空と忘れな草(州の花)、北斗七星は強さ、北極星は最北の州の未来、金は資源
  • デザイナーはベニー・ベンソン、セワードの孤児院で暮らすアラスカ先住民の少年
  • デザイン当時13歳(後の研究では14歳とも)
  • 1927年、準州のコンテストに142点の応募、シンプルさが評価され採択、7月9日にセワードで初掲揚
  • ベニーの言葉「青は空と忘れな草、北極星は最北の州の未来、北斗七星は大熊座で強さ」
  • 旗が作られた1927年、アラスカはまだ準州(州になったのは1959年、49番目)
  • 1867年、アメリカがロシアからアラスカを購入(約720万ドル、「スワードの愚行」)
  • セワードの町の名は購入を進めたウィリアム・スワードにちなむ
  • アメリカ最大・最北の州、州の花は忘れな草、オーロラ・氷河・デナリ
  • 面積約172万km²、人口約73万人、州都ジュノー

北斗七星と北極星、13歳の少年の希望。アラスカの旗は、孤児院の先住民の少年が州の未来を願って描いた、世界でも特別な物語を持つ1枚です。